Office 開発 New (Office Add-ins)
Office アプリ開発の新機能についてのまとめです。
■ まず少し Office 開発についての説明から
2013 から Office 開発の新しいモデルとして、Office 用アプリ (Apps for Office) が登場しました。
これまで Office 開発で行えていた VSTO (.NET 開発) や VBA がなくなるわけではありませんが、Office 開発を行う際の一つの選択肢として利用できるものです。
特徴は、
- マルチ デバイス対応
デスクトップ版の Office だけではなく、Office Online (ブラウザー版の Office) やモバイルアプリでも動作するよう開発可能。
現在、Office 365 をはじめとするクラウドサービスの普及にも伴い、Office ファイルをさまざまなデバイスから開くことが当たり前になってきているので、開発した内容が同じコードで、さまざまな端末上でも動作できるようになるっていうのは、この開発モデルを利用するメリットの一つといえます。 - 開発は HTML,JavaScript がメイン
.NET コードによる開発ではなく、HTML と JavaScript により開発します。HTML と JavaScript により開発した Web ページを任意の Web サーバー (もしくはクラウド上でも) にホストし、Office からネットワーク経由でアクセスして動作させます。
開発した Web ページと、Web ページをアプリとして実行中の Office ファイルとのデータのやりとりには、専用の API (Office.js) を利用します。 - マーケットプレイスを利用してアプリ インストール/アプリ展開できる
Office ストアっていうマーケットプレイスがあり、開発したアプリはそこで展開 (販売) できます。HTML+JS で開発可能であることと合わせて、マイクロソフト技術の開発者ではなくても、利用者の多い Office のアプリを開発し、そこで販売が行えますし、またユーザーにとっては自分にとって便利なアプリを Office ストアから購入・インストールし、利用できます。
企業内のみでの展開を行いたい場合には、企業内カタログと呼ばれる専用ストアを社内に用意して利用可能。
■ 利用方法
アプリは Office ストアもしくは企業内カタログから Office ファイル上に追加して利用するのが基本です。
たとえば、Excel だと、リボンの [挿入] タブから [ストア] をクリックし、Office ストアから使いたいものを追加。
作業ウィンドウに表示されるタイプや、本文上に表示されるコンテンツっていうタイプがあります。
もちろん開発者がどちらか選べるってことです。
Outlook の場合、下図のようにメールや予定の閲覧画面に表示するタイプもあれば。
メールや予定の作成画面に表示するタイプも。
■ 直近の UPDATE 情報
と、ここまでまず概要でしたが、先日 Chicago で開催された Ignite で聞いた Office 用アプリについての Update をまとめておきます。
① Apps for Office (Office 用アプリ) という名前が、Office Add-ins に変更
呼び方が変わりました!
個人的には、Apps for Office、日本語だと Office 用アプリって、名前がようやく浸透し出したのに、ここで変えちゃうの? という気持ちもありますが、Office Add-ins って名前のほうが、Office のアドインとイメージしてもらいやすそう!と思います。
まだまだ MSDN 等の日本語記事は Office 用アプリのままですし、英語記事でも Apps for Office 記載のものがいくつもあるので、しばらく両方の名前を知っておいたほうがよさそうですね。Visual Studio の開発テンプレートも、Apps for Office って名前ですし。いまんとこ。
② Excel for iPad
いままで Excel for iPad では Office Add-ins は動作しませんでしたが、サポート対象となったようです。まだ私も試せていませんが、近々テストしてみたいと思います。テストした結果これは!って内容があればまた Blog UP します。
引き続き iPad 版の他の Office もどんどん対応してほしいですね。
③ Word Online に対応
Office Online (ブラウザー版の Office) では、Excel、PowerPoint、Outlook、あと Access (SharePoint 上で動作する Access アプリ) のみが対応していましたが、Word も対応の仲間入り。
④ Office.js のバージョンがシンプルに
Office.js は Office Add-ins 開発時に利用する API で、Office Add-ins の実体となる開発した Web ページと、Web ページを Office Add-ins として実行中の Office ファイルとのデータのやりとりに利用するものです。
これまで Office 2013 が出たタイミングだと、1.0 バージョン。Office 2013 SP1 が出たタイミングで 1.1 バージョンとなり、もちろん利用できる API 機能が増えました。今後も増えていくことが想像できます。
CDN 参照する際には、https://appsforoffice.microsoft.com/lib/1.1/hosted/office.js を利用しますが、1.0 のときはこれが、https://appsforoffice.microsoft.com/lib/1.0/hosted/office.js としていたのですが、シンプルに https://appsforoffice.microsoft.com/lib/1/hosted/office.js で利用できるように。
奥田