SharePoint

SharePoint Server 2016 MinRole 構成メモ

  • 2016.09.29

前回単一サーバーファームとして検証環境を構築する際のメモを投稿しました。今回は、MinRole を利用した構成メモです

MinRole について

SharePoint Server 2016 では、新しいインフラ概念として MinRole というしくみが導入されています。インストール時に構成ウィザードで、あらかじめ定義されたロールを指定することで、そのロールに基づいたサービスが自動的に構成され展開作業が簡略化できること、またロールが明確になることでファームパフォーマンスが最適化できること、各サーバーの役割 (ロール) が明確となるため、パフォーマンス予測がしやすくなることが利点とのことです。

参考 [TechNet MinRole の概要]
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt346114(v=office.16).aspx
[TechNet SharePoint Server 2016 の MinRole と関連つけられているサービスの説明]
 https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt667910(v=office.16).aspx

● 選択できるロール

ロール名 説明
フロントエンド エンドユーザーからの要求を処理。フロントエンド Web サーバーとなり、遅延が短くなるように最適化されている
アプリケーション バックエンドの要求 (ジョブ、検索クロール要求とか) を処理。スループットが高くなるよう最適化されている
検索 検索サービス用。
分散キャッシュ 分散キャッシュ用。フロントエンド間のユーザー要求を負荷分散
カスタム カスタムの役割を割り当てる場合。サービスの構成はされない。
単一サーバー ファーム 単一サーバーに全サービスを実行。開発環境とか評価環境に便利

SharePoint Server 2016 では、検証時等に利用する単一サーバー構成、新しく登場した MinRole を利用した構成、そして従来通りサーバーでどのサービスを稼働させるかを構成するカスタム構成と、インストールの方法は大きく3種類となります。

下記は、MinRole を利用して、AD、SQL、SP1(フロントエンド)、SP2(アプリケーション)、SP3(分散キャッシュ)、SP4(検索) の構成でファーム構成を行ったときのメモです。

 

1.事前準備

  • SQL サーバーのインストール
  • AD に SharePoint のデータベース アクセスアカウント、サービス用アカウント用意
  • SharePoint の4台について

OS インストール、ドメイン参加
・  Prerequisiteinstaller.exe を利用して、前提条件をすべてインストール
・  SharePoint Server 2016 のインストール
・ Language Pack のインストール

 

2.フロントエンドの構成

製品構成ウィザードを利用して、フロントエンドの役割を構成します。

1. SP1 (フロントエンド) のマシンで、製品構成ウィザードを起動し、[次へ]
1_thumb1
2. さらに [次へ]
2_thumb1
3. ダイアログが表示されたら、[はい]
3_thumb1
4. [新しいサーバー ファームの作成] を選択し、[次へ]
4_thumb2
5. データベース サーバー、データベースアクセス アカウントを指定し、[次へ]
5_thumb1
6. パスフレーズを指定し、[次へ]
6_thumb1
7. サーバーの役割として、[フロントエンド] を選択し、[次へ]
7_thumb1
8. 全体管理をホストするポート番号を任意に指定し、[次へ]
8_thumb1
9. 内容を確認し、[次へ]
9_thumb1
10. 構成中の間待つ
11. 「構成成功」 を確認し、[完了]
10_thumb1

全体管理で確認するとこんな感じに
11_thumb1

 

3.アプリケーションの構成

製品構成ウィザードを利用して、アプリケーションの役割を構成します。

1. SP2 (アプリケーション) のマシンで、製品構成ウィザードを起動し、[次へ]
2. ダイアログが表示されたら、[はい]
3. [既存のサーバー ファームへの接続] を選択し、[次へ]
22_thumb2
4. データベース サーバー名を指定し、[データベース名の取得] をクリック
データベース名が挿入されたことを確認して [次へ]
23_thumb1
5. パスフレーズ (1台目の構成ウィザードで指定したもの) を入力し、[次へ]
24_thumb1
6. サーバーの役割として、[アプリケーション] を選択し、[次へ]
25_thumb2
7. 内容を確認し、[次へ]
26_thumb1
8. 構成中の間待つ
9. 「構成成功」 を確認し、[完了]
27_thumb1

全体管理見てみると、
28_thumb1

 

4.分散キャッシュの構成

製品構成ウィザードを利用して、分散キャッシュの役割を構成します。

1. SP3 (分散キャッシュ) のマシンで、製品構成ウィザードを起動し、[次へ]
2. ダイアログが表示されたら、[はい]
3. [既存のサーバー ファームへの接続] を選択し、[次へ]
4. データベースサーバー名を指定し、[データベース名の取得] をクリック
データベース名が挿入されたことを確認して [次へ]
5. パスフレーズ (1台目の構成ウィザードで指定したもの) を入力し、[次へ]
6. サーバーの役割として、[分散キャッシュ] を選択し、[次へ]
31_thumb1
7. 内容を確認し、[次へ]
8. 構成中の間待つ
9. 「構成成功」を確認し、[完了]
33_thumb1

 

5.検索の構成

製品構成ウィザードを利用して、検索の役割を構成します。

1. SP4 (検索) のマシンで、製品構成ウィザードを起動し、[次へ]
2. ダイアログが表示されたら、[はい]
3. [既存のサーバー ファームへの接続] を選択し、[次へ]
4. データベースサーバー名を指定し、[データベース名の取得] をクリック
データベース名が挿入されたことを確認して [次へ]
5. パスフレーズ (1台目の構成ウィザードで指定したもの) を入力し、[次へ]
6. サーバーの役割として、[検索] を選択し、[次へ]
41_thumb1
7. 内容を確認し、[次へ]
8. 構成中の間待つ
9. 「構成成功」を確認し、[完了]
42_thumb1

 

6.全体管理 確認してみる

さて、全体管理で内容を確認してみます。構成ウィザード終了後、自動的に全体管理が開きますが、4台ともファーム構成ウィザードはいったんスキップして実行していません。

  • [このファームのサーバーの管理]
    [役割] が それぞれ表示されています。
    51_thumb1
  • [このファームのサービスを管理]
    image_thumb1
  • [アプリケーション構成の管理] – [サーバーのサービス]
    サーバーを変更しながら、各サーバーでのサービスの状態が確認できます。
    image_thumb3
  • [サービス アプリケーションの管理]
    image_thumb5

7.ファーム構成ウィザード

ファーム構成ウィザード実行

1. 全体管理で [構成ウィザード] – [ファーム構成ウィザードの起動] をクリック
2. [ウィザードの開始] をクリック
3. 新しい管理アカウントを指定
4. サービスアプリケーションの内容を確認し、[次へ]
5. しばらく待つ
6. [サイト コレクションの作成] 画面が表示されたら、ルート サイト コレクションを作成する
7. ファーム構成ウィザードが完了

最後に、内容確認

● [アプリケーション構成の管理] – [サーバーのサービス]

– SP01 (フロントエンド)
last1_thumb1

– SP02 (アプリケーション)
last2_thumb1

– SP03 (分散キャッシュ)
last3_thumb1

– SP04 (検索)
last4_thumb1

● [アプリケーション構成の管理] – [サービス アプリケーションの管理]
last5_thumb2

この後、各種機能を利用するための設定がいろいろ必要ですが、MinRole を利用したインストールについてのメモでした。

また 2016/09/26 の Office Blog でアナウンスされていましたが、11月に SharePoint Server 2016 Feature Pack1 が提供されるそうです。
Feature Pack 1 に含まれる新機能の中に、MinRole の機能強化があり、MinRole に 「フロントエンドと分散キャッシュ」 と 「アプリケーションと検索」 が追加されるようです。
MinRole で可用性も考慮すると、4Role×2の8台構成が最小ということになりますが、この機能強化で 2Role ×2 の4台で可能性も考慮した MinRole 最小構成が組めそうです。

お問い合わせ

イルミネート・ジャパンが提供するトレーニングやサービスに関するご相談など、
お気軽にご連絡ください。

担当者に相談する