Power Automate

Power Automate クラウド フローで下書きメールの作成

  • 2025.08.27

以前のブログ記事 「Power Automate で下書きメール作成」 では、クラウド フローからメールの下書きを作成する際に Graph API を利用する方法をご紹介しました。当時は標準コネクタに該当アクションが存在せず、HTTP 要求を送信する手間が必要でした。

現在はアクションが追加されており、Office 365 Outlook コネクタの標準アクションでメールの下書きを作成することが可能です。今回は Office 365 Outlook コネクタのメール下書きアクションについてご紹介します。

メール下書き関連アクション

「下書き作成」 アクションが追加された時期について、公式ドキュメントでの明確な記載は見つけられませんでした。利用できるタイミングは環境によって前後しますが、私の使っているテナントでは 2025 4 月下旬頃に確認できました。
##ちょうど 4 月にメール下書き操作を必要とするアプリ作成を行っており、そのとき確認した記憶が。

Office 365 Outlook コネクタのアクションは現時点でこんな ↓ 感じ。

うち下書きメール関連のアクションは下書きメール作成、下書きメールの更新、下書きメールの送信と 3 点あります。これらによりフローからメールを送信するシナリオで、「フローが下書きだけ準備し、最終送信はユーザーが確認して行う」 という設定が、より行いやすくなりました。

HTML メールはまだ未対応

注意点として、現時点では HTML 形式の本文には対応していません。リッチテキストや表・スタイルを含む本文を下書きとして作りたい場合は、引き続き Graph API を利用する必要があります。

[メール メッセージを下書きする] アクションで、本文がコードビューに切り替えられるため、一瞬できそうに思うのですが、contentType を指定するオプション設定項目が今のところなく、動作確認してみるとテキスト形式の下書きメールが作成される結果でした。

Graph API でのメール下書き作成

以前の記事でもご紹介しましたが、再度まとめておきます。
Office 365 Outlook コネクタの [HTTP 要求を送信します] アクションを利用し、次のように設定を行います。

  • URI : https://graph.microsoft.com/v1.0/me/messages
  • メソッド : [POST]
  • 本文
{
 "subject":"メール件名",
 "importance":"Normal",
 "body":{
   "contentType":"HTML",
   "content":"<メール本文>"
   },
 "toRecipients":[
   {  "emailAddress":{"address":"<To>"}  }
  ],
"ccRecipients":[
{ "emailAddress":{"address":"<Cc>"}  }
  ]
}

※ 赤字部分に、HTML 形式のメール本文、TO、CC を指定してください。

    以上、下書きメール作成についてのアップデートでした。

    あわせて参考までに、Graph API により Power Automate から実行できる内容について、過去ブログでご紹介した記事はこちら⬇️

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